思い出の名機を現役に! 眠っていた古いリグで今話題のデジタル通信『FT8』を始めよう「第1章」

〜あの頃、私は1枚のユニバーサル基板と格闘していた〜
FT8というデジタルモードが、現在のアマチュア無線界を席巻しています。
しかし、私たちベテラン無線家にとって、「PCとリグを繋いでデジタルモードを遊ぶ」というのは、
かつては命がけの大冒険(泥沼の工作)でした。
今から10年、20年前。
手元にある相棒 IC-756(あるいは当時の名機たち)にパソコンを繋ごうとした際、
私たちはどのような格闘をしていたでしょうか。
GNDループによる「ブーン」という激しいACハムノイズ
これを消すために、ジャンク箱からサンスイのトランス(ST-71など)を引っ張り出し、
インピーダンス変換とGND絶縁(アイソレーション)を試行錯誤。回り込みによるPCのフリーズ
送信ボタンを押した瞬間に、高周波(RF)がPCに回り込み、パソコンの画面がブルーバックスクリーンになって固まる絶望。これを防ぐために、同軸ケーブルにパッチンコアをいくつも挟み、アースを引き直す日々。
フォトカプラによるPTT回路の自作
シリアルポート(RS-232C)のRTSやDTR信号から、
フォトカプラを使ってリグのSEND端子を叩くための「送信制御回路」を、
ユニバーサル基板の上にチマチマとハンダ付けする。

シャックの机の上は、リグから伸びるACCケーブル、
PCから伸びるシリアルケーブル、
オーディオ端子から伸びるシールド線、そして自作の「謎の黒いプラスチック箱(インターフェース)」で、
まさにスパゲティ状態のネズミの巣。

「動いた!」と思ったら、
今度はWindowsの音量ミキサーの調整や、ALCのレベル合わせでまた数時間が吹き飛んでいく……。
あの頃、私たちは確かに、1枚のユニバーサル基板と、そして容赦なく襲いかかる「ノイズ」や「回り込み」と、文字通り死闘を繰り広げていたのです。
(➔ 【動画:あの頃のスパゲティ配線のイメージ(もしあれば)】)
しかし、時代は変わりました。
次の章では、そんな「あの頃の苦労」が、一体何だったのかと呆れてしまうほど、
簡単で美しい「令和の手抜きFT8ライフ」をご紹介します。

カンバックを果たされた、OMさま、愛着のある古いリグで、FT-8になぐりこみましょう!